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Fig.-7 Calculated frequency response

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Fig.-8 Spectrum of wave energy

3−2. 数値計算結果およ試験結果
試験に先立ち、前章までで述べた設計手法にしたがい数値計算を行った。Fig.-7は、船体および可動マスの周波数応答を示したもので、図中の横軸は船体の回行振動数に対する強制振動数比を、また、縦軸はφ/φst(船体横揺れ)およびZ/(1φst)(可動マス変位、ここで、φst:静的角変位)で定義される振幅倍率を表す。同図によると、正弦波を対象とした場合、装置非作動時の揺れを約8度とすると、可動マスを約1m駆動することで、船体の揺れを約1/3に低減できることがわかる。
動揺計算は、同調横揺れ状態の場合を考え、有義波高を0.25mとし、対象周波数は、船体の固有帳動数を含む0.87〜2.67rad/sとした。Fig-8に波エネルギのスぺクトルをまた、得られた波強制力と時刻歴応答計算結果をFig.-9に示す。本計算の場合、装置の最大変位は許容ストロークを若干越えているが、船体の横揺れを約2/1に低減できることがわかる。試験は、東京湾口から相模湾の海域で行い、同一の海象条件に対し、装置非作動および作動の両ケースについて15分間計測し、船体の動揺や可動マスの運動状況を記録した。その一例として、Fig.-9とほぼ同等の波条件に相当する実測結果をFig.-10に示す。同結果では、可動マスのエンドヘの衝突を防ぐためのリミッタ制御が、220秒および400秒付近で作動している。これにより、可動マスの変位は1m程度に抑制されので、計算結果に比べ30%程度低めとなっているが、減揺性能および船体の横揺れ角の実測結果は、Fig.-9の計算結果と良好に一致していることがわかる。

 

 

 

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